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バルトリの歌声に酔いしれる!「そよ風のささやきに~バルトリ/ヴィヴァルディ・オペラ・アリア集」レビュー

バルトリとヴィヴァルディの融合が生み出す、至高のオペラ体験

チェチーリア・バルトリによる、ヴィヴァルディのオペラ・アリア集「そよ風のささやきに~バルトリ/ヴィヴァルディ・オペラ・アリア集」。このアルバムは、バルトリの圧倒的な歌唱力と、イル・ジャルディーノ・アルモニコによる古楽器アンサンブルが織りなす、鮮やかでドラマティックな世界観が魅力です。

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なぜこのアルバムが特別なのか?

ヴィヴァルディといえば、ヴァイオリン協奏曲「四季」が有名ですが、彼はオペラ作曲家としても非常に才能を発揮しました。しかし、彼のオペラ作品は、長い間、上演される機会が少なく、知る人ぞ知る存在でした。

このアルバムは、そんなヴィヴァルディのオペラ・アリアの中から、バルトリの歌声に最も合うものを選りすぐり、収録しています。バルトリのコロラトゥーラ(高音の技巧)は、ヴィヴァルディの音楽の持つ華やかさや躍動感を、最大限に引き出しています。

収録曲と見どころ

アルバムには、ヴィヴァルディのオペラ「オルランド・フリオソ」や「グリセルダ」など、様々な作品からアリアが選ばれています。

  • 「オルランド・フリオソ」より「輝かしい太陽が昇る」: バルトリの明るく、力強い歌声が、聴く人を元気づけてくれます。
  • 「グリセルダ」より「私の心は、あなたへの愛で満たされている」: バルトリの繊細で、感情豊かな歌声が、聴く人の心を揺さぶります。
  • 「リナルド・イン・イスラ」より「私を泣かせないで」: バルトリの哀愁を帯びた歌声が、聴く人を深い悲しみに誘います。

これらのアリアは、それぞれ異なる表情を持っており、バルトリの歌唱力の幅広さを示す好例となっています。

他のアルバムとの比較

バルトリは、モーツァルトやヘンデルのオペラ・アリア集も多数リリースしています。これらのアルバムと比較すると、「そよ風のささやきに」は、より古楽器アンサンブルとの融合が進んでおり、ヴィヴァルディの音楽本来の響きを忠実に再現しようとしている点が特徴です。

例えば、ヘンデルのオペラ・アリア集「ヘンデル:オペラ・アリア集」は、現代楽器による伴奏が中心であり、より洗練された印象を与えます。しかし、「そよ風のささやきに」は、古楽器ならではの温かみや、息遣いが感じられる、より人間味あふれる演奏が魅力です。

実際に聴いてみた感想

初めてこのアルバムを聴いたとき、バルトリの歌声に圧倒されました。彼女のコロラトゥーラは、まるで宝石のように輝き、ヴィヴァルディの音楽に新たな生命を吹き込んでいます。

特に印象に残ったのは、「グリセルダ」より「私の心は、あなたへの愛で満たされている」のアリアです。バルトリの歌声は、まるで愛そのものを表現しているかのように、美しく、切なく、そして力強く響き渡ります。

このアルバムを聴くと、まるで18世紀のヴェネツィアにタイムスリップしたかのような気分になります。オペラファンはもちろん、クラシック音楽初心者にもおすすめの一枚です。

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